外壁や屋根塗装工事の前の下地調整の重要なポイントは5つ

投稿日:2019年8月2日  更新日:2023年7月5日


 

外壁・屋根塗装の工程には、塗装する前の下地調整が必ず必要です。

 

下地調整をせずに塗料を塗ってしまうと「剥がれ・割れ」などが起こりやすくなり、本来の塗料の耐久年数まで綺麗な状態を保てません。

 

そこで、このページで「下地調整の重要なポイント」について解説していきますので、外壁・屋根塗装を依頼する前に必ずチェックしましょう。

 

下地調整の重要なポイントは5つ

 

塗装前の「下地調整」の際に必要なのは、以下のような作業です。

 

①コーキング処理

②ひび割れ・クラック補修(外壁)

③釘頭と下地強度の確認(トタン)

④ひび割れ・クラック補修(屋根)

⑤縁切り作業

作業ごとにチェックポイントや大事な点を解説していきます。

 

①コーキング処理

 

サイディングの塗り替え時に重要なポイントになるのがコーキング処理(シーリング)です。

 

ジョイント部分に施工されているゴムのような弾力のある素材で、主に2つの役割を担っています。

 

コーキングが担っている役割は2つ

 

役割①

【揺れの吸収】

・弾力性を活かして揺れを吸収してくれる

・すべての建物は風や小さな地震で揺れているためコーキングが必要

・地震に対しての制震や免震の効果があるわけではない(細かい揺れのみ吸収する)

役割②

【防水】

・サイディングのジョイント(継ぎ目)からの雨水の侵入を防ぐ

・雨漏り防止のために必須

 

 

住宅の外壁の構造は一般的な木造住宅の場合、内側から「構造体(柱など)→防水紙→胴縁→サイディング(外壁材)」という順番で施工されています。

 

構造体と防水紙の間に構造用合板が施工されることもありますが、防水性能には関係ありません。

 

最終的な仕上がりになるサイディングのジョイントから水が侵入しても、建物の構造は濡れない様に設計されています。

 

しかし、コーキングがない状態が続いてしまうと、小さな隙間から水分が入り込んでしまうことはよくあるため防水のためのコーキングが必要です。

 

防水紙を固定しているタッカーや胴縁を固定している釘など侵入経路はいくらでもあるので、コーキングは常に弾力を持った状態で施工されていることが重要になります。

 

外壁塗装におけるコーキング処理の方法は?

 

外壁塗装の下地調整としてのコーキング処理には2つの方法があります。

 

①打ち替え工法

既存のコーキングを完全に撤去してから新たにコーキングを施工する方法

②打ち増し工法

既存のコーキングの劣化状態がいい場合に、劣化した部分だけを撤去して新たにコーキングを施工する方法

 

外壁の塗り替えを行う際のコーキング処理には、打ち替え工法が最適である場合が多いです。

 

しかし、玄関ドアや窓などの開口部のコーキングに関しては打ち増し工法を選択する場合もあります。

 

開口部回りのコーキングの下には、建物の防水性能に直接影響する部材が隠れていることがあるため、既存のコーキング撤去時に破損してしまうリスクを避けるためです。

 

コーキング処理は、外壁塗装の下地調整における重要なポイントになりますので既存のコーキングの状態はもちろん、作業に伴うリスクなどもしっかり把握した上で工法の選択をしてください。

 

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②ひび割れ・クラック補修(外壁)

 

サイディングの経年劣化で起こるひび割れやクラックは「サイディングを固定している釘のまわり」で発生しやすいです。

 

現在のサイディングの施工方法は引っ掛け式になっていますので、釘で止める箇所は限られています。

 

それでも、釘で固定された部分は力がかかりやすいため、ひび割れやクラックが起こりやすくなってしまうのです…。

 

ひび割れやクラックの補修方法は?

 

補修方法は「大きさ・深さ」によって変わります。

 

釘まわりの少しのひび割れ程度

防水補修材を塗り込むことで補修できる場合があります

※小さいひび割れでも、数年後には大きなクラックに発展してしまうこともあるため、しっかり補修しておくことが大事

大きめのクラックや深さのあるクラック

最初にクラックの周りのサイディングをさらに削り取り、広げた傷にプライマー塗布とコーキングの充填を行う

※周りを削り取ることなくコーキングをそのまま充填しても傷口はふさがりますが、クラックの奥までコーキングを充填することが難しくなります

サイディングの劣化が進んでしまって欠けてしまっている場合

・補修が難しい状態

・欠けてしまったサイディングが残っていればまだ使える可能性もありますが、残っていない場合はサイディングの柄に合わせて成型する作業から行うので費用が一気に上がってしまう

 

「大きめのクラックや深さのあるクラック」の場合は、削り取りが必要になります。

 

傷口を広げるような行為になりますが、一度クラックを広げることで充填するコーキングの厚みや幅を確保できるので、強度をアップさせることが可能です。

 

 

下地処理の詳しい流れについてはコチラ

 

③釘頭と下地強度の確認(トタン)

 

トタン外壁の塗り替え時に重要なポイントになるのが「釘頭の浮きや下地強度の確認」です。

 

一般の住宅で使われる外壁にはサイディング以外にも、金属製の板金を外壁に使用したトタン仕上げがあります。

 

昔のトタン外壁というと、波板を使用した外観が多くありました。

 

しかし、現在では様々な折り方でデザイン性の高い板金が使われています。

 

通常の板金に加えて「亜鉛を含んだガルバリウム鋼板」も外壁材として人気です。

 

ガルバリウム鋼板でも、通常の板金を使用したトタン外壁でも、固定方法は基本的に「釘打ち」になります。

 

そのため、外壁塗装の下地調整では、釘頭や下地強度の確認が重要なポイントです。

 

釘頭と下地強度の確認方法は?

 

外壁を固定している釘の数は無数にあります。

 

1本1本をチェックすることは難しいですが、以下が確認していくポイントです。

 

釘が浮いて飛び出てしまっている箇所

・釘を打ち込んだ際の少しの隙間から、雨水や湿気は入り込んでしまう

・長年の経年劣化によって下地の胴縁がやせてしまうことがよくある

 ・建物の振動によって少しずつ釘が抜けてきてしまうので、外壁塗装を行うときには浮いた釘を打ちなおす調整が必要

釘自体が残っていない箇所

・下地に水分や湿気が含まれると、木材は劣化してやせていく

・湿気と乾燥を繰り返すことで劣化が進み、釘を支える強度がなくなると、釘は抜けてなくなる

 

トタン外壁の場合には固定している釘頭の確認の他にも、繋ぎ合わせ部分も注意しなければいけません。

 

下地調整の工程の前にはケレン作業を行うので、建物全体の劣化具合をしっかりと確認しておくことが大事になりますね。

 

④ひび割れ・クラック補修(屋根)

 

カラーベスト・コロニアルと言われるスレート屋根の塗装では、下地調整の段階で「ひび割れやクラックの補修」を行う必要があります。

 

スレート屋根の補修方法は?

 

外壁のひび割れやクラックと同じように「防水補修材」を使ってひび割れを埋めていきます。

 

小さなひび割れ

簡単に補修することができ、そのまま塗装の工程に移ることも可能

スレート屋根の一部が欠けている等のクラックの場合

・欠けた屋根材が残っている場合には補修材やコーキングを使って接着することができる

・大きな割れは屋根材の取り換えを行う

※スレート屋根は瓦屋根と同様に差し替えが可能なので、大きめのクラックができてしまった箇所は、取り換えることも検討する

 

ひび割れやクラックからの雨漏り対策は?

 

スレート屋根の場合も外壁塗装と一緒に、10年に1度は再塗装を行うのが一般的です。

 

しかし、ひび割れやクラックが入った状態で長く放置しておくのは良くありません。

 

屋根の下地は野地板、アスファルトルーフィング、スレート屋根と順番で施工されているため、破損してしまってもすぐに雨漏りに繋がるわけではありませんが早急な対応が必要です。

 

屋根の上を定期的に確認することはなかなか難しい上に、一般の方が屋根に登ることは危険なので、定期的なメンテナンスの有無も含めて建物診断などを活用してください。

 

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スレート屋根は割れやすい?

 

軽くて強度のあるスレート屋根は多くの建物で採用されてきましたが、経年変化による劣化は避けられません。

 

塗装作業の他、屋根の上のアンテナの修理や台風などでの飛来物によってもスレート屋根がひび割れてしまうこともよくあります。

 

そのため、定期的に点検をすることや、塗装前には必ず下地処理(補修)を行うことが大切です。

 

⑤縁切り作業

 

縁切り作業は、上塗り工事の後に行う業者もいますが、下地調整の段階でタスペーサーを設置する方が効率・仕上がり共によくなります。

 

縁切り作業とは?

 

毛細管現象を抑えることを目的とした工程で、一般的にはタスペーサーという部材をスレート屋根の繋ぎ目に差し込んで設置していく工事になります。

 

【毛細管現象とは】

・細かな隙間に水が入ってしまう現象のこと

・スレート屋根においては、スレート瓦の繋ぎ目(重なっている箇所)から内側に水が入ってしまう現象を意味します

吸い上げられた水は、スレート屋根の裏側にまで達するため、雨漏りの原因になりかねません。

 

屋根材の下には「アスファルトルーフィングという防水紙」が敷かれているので、すぐに雨漏りに繋がってしまうことは少ないです。

 

しかし、経年変化でアスファルトルーフィングは劣化していきます。

 

劣化してしまったアスファルトルーフィングでは、防水性能も低くなっているため、雨漏りが起こる可能性が高いです。

 

雨漏りを防ぐためにも、必ず縁切りの作業を行いましょう。

 

タスペーサーの役割は?

 

 

下地調整の段階で行うタスペーサーの設置によって、毛細管現象の発生を抑えることができます。

 

通常通りに屋根を再塗装してしまうと、わずかな隙間ができてしまいますがタスペーサーを設置することで、人為的に広めの隙間を確保することが可能です。

 

しっかりと隙間を確保することで、毛細管現象の発生を抑え、雨漏りの対策としても効果が期待できます。

 

縁切り作業をしない業者に注意

 

毛細管現象の発生を抑えるためには、タスペーサーの設置が有効ですが、縁切り作業には当然費用が発生してしまいます。

 

外壁塗装全体の金額から、材料費と人件費を抑えるためにタスペーサーの設置を行わずに、カッターやカワスキを使った縁切り作業を行う業者も少なくありません。

 

さらに、縁切り作業自体を行わない業者も残念ながらいますので、スレート屋根への塗装を行う際は注意しましょう。

 

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下地調整は綺麗な塗装をするために必須の作業

 

外壁は常に雨風にさらされているため、汚れが付着していたり、傷んでいたりします。

 

綺麗な塗装をするために、塗装をする前の下地調整の作業によって、外壁の状態を整えることが大切です。

 

当社では、下地調整の作業を徹底し、塗料が本来の耐久年数を発揮できるように作業しています。

 

下地調整のことでわからない点などございましたら、気軽にご相談ください。

 

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